「そして、バトンは渡された」感想|人生の意味って?幸せって?森宮さんの覚悟が答えてくれる

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もくじ

瀬尾まいこさん「そして、バトンは渡された」あらすじを簡単に

血のつながらない父娘・森宮さんと優子の物語

「そして、バトンは渡された」の主人公は、高校3年生の森宮優子。
父、森宮壮介と2人で暮らしています。
優子は父を「森宮さん」と呼んでいます。森宮さんは血のつながった実父ではないからです。

父親は3人目、母親は歴代2人

優子は高校生になるまでに3通りの苗字を名乗り、家族の形態は7回変わっています。父親としては、森宮さんは3人目。母親はこれまでに2人いました。

父親①実の父・水戸秀平

父親②泉ヶ原茂雄

父親③森宮壮介

母親①実の母(作中で名前は明かされません)

母親②梨花

優子の父3人と母3人、人物相関図

実の母は優子が3歳になる前、交通事故で亡くなっています。優子は実母の記憶をほとんど持っていません。実の母の名前が作中で明かされることもありません。

2番目の母・梨花は魔性の女

優子の家族の形がここまでコロコロ変わった原因は主に、2人目の母・梨花の行動力と奔放さが原因です。3人の父親はそれぞれ、梨花の1人目の夫、2人目の夫、3人目の夫…です。梨花はいわゆる「魔性の女」ですね。
優子の親、総勢5人の人物相関図を書くとこうなります。

そしてバトンは渡された 人物相関図

優子を振り回す梨花は、ひどい母親?

夫・水戸がブラジル転勤→同行拒否

梨花が水戸秀平と結婚し、優子の2人目の母親になったのは、優子が8歳の時です。
その2年後には、ブラジル赴任が決まった水戸に同行することを断固拒否。10歳の優子は、実父・水戸とともにブラジルに行くか、2人目の母・梨花とともに日本に残るかを選ばされます。
悩んだ挙句、「仲良しの友達と別れたくないから」という理由で梨花との生活を選びます。

優子の願い「ピアノ習いたい」→梨花、金持ちと結婚して実現

水戸と梨花はわずか2年で離婚。梨花と優子は、血のつながらない母娘2人の生活を始めます。
梨花は優子に愛情を注ぎますが、派手好きで経済感覚がなく、あっという間に貧乏暮らしに転落。大家さんの畑で獲れる野菜をめぐんでもらい、食生活を維持する日々が続きます。

そんな中、「ピアノ習いたいな」という優子の願いを耳にした梨花は、「時間はかかるけど、きっと実現させる。待ってて」言います。

梨花が打った手は…仕事で知り合った資産家の男性、泉ヶ原茂雄との再婚でした。
泉ヶ原の広い邸宅には、亡くなった前妻が弾いていたというワイン色のグランドピアノがありました。

有閑マダム生活に耐え切れず、また離婚

優子は2人目の父、泉ヶ原にも愛されてました。泉ヶ原は、優しく見守るタイプの父親。優子のために自らピアノの調律するなど、優子をいつも陰で気遣っていました。

優子の生活は一変します。梨花と2人の貧乏時代は、家事も自分でやっていましたが、泉ヶ原家には家政婦さんがいて、家事の一切をやってくれます。優子は泉ヶ原家で暮らした中学3年間、ピアノをみっちり練習します。「ちゃんと練習しないと、梨花さんにも泉ヶ原さんにも申し訳ない…」という思いを抱えながら。

この恵まれた生活に耐えられなかったのは梨花。「やることがない!」と早々に有閑マダム生活に飽き、泉ヶ原家に居つかなくなります。

森宮壮介と3度目の結婚

やがて、3人目の夫・森宮壮介を見つけてきて、優子を連れ出します。
梨花と森宮は中学の同級生。

優子は高校生活のスタートに合わせて、2人目の母・梨花と、3人目の父・森宮との「3人家族」で暮らし始めます。
しかし、この生活はあえなく終了します。

「探さないでください」わずか2か月で失踪→離婚

梨花は森宮壮介を夫に迎えたわずか2か月後、優子を森宮のもとに残し、失踪します。
「探さないでください」というベタな書置きを残して。やがて、梨花の署名と押印つきの離婚届が届きます。森宮さんは淡々と自分も署名、押印し、離婚に応じます。
こうして、森宮さんと優子の「父娘2人生活」が幕を開けます。

梨花はどんな事情、思いを抱えていたのか?

梨花は優子を散々引きずり回して、最後には森宮さんに押し付けて失踪してしまうわけですから、ずいぶんとひどい母親のように見えます。
姿を消した時、梨花がどんな事情を抱えていて、どんな思いでいたかは、小説の終盤で明らかになります…!

「そして、バトンは渡された」は2部構成

1章は優子の高校卒業まで|2章は優子が伴侶を見つけるまで

「そして、バトンは渡された」は、1章、2章の2部構成です。
1章は、優子が高校を卒業する18歳まで。
2章は、優子が伴侶を見つけ、自分の家庭を築こうとする23歳まで。

2章でようやく、歴代の親たちの思いがわかる仕掛け

2章を読むと、優子の歴代の親たちが何を考え、どう優子と向き合ってきたのかがわかる仕掛けになっています。ぜひ途中で投げ出さず、最後まで読むことをお勧めします…!

女子軍団の嫌がらせは読むのがつらい…でも耐えてください

高校時代、優子が友だちとの関係をこじらせ、いわゆる「群れたがり女子」の嫌がらせをこれでもかと食らうくだりは正直、読むのがつらいです。女子軍団の同調ぶり、陰湿さがくだらなすぎて。
俺は今、何を読まされてるんだろう…?と何度か離脱しかけました。
でも、どうかくじけないでください。心を強く持って読み通していただきたいです。

読みどころ①淡々と日々を過ごす優子の本音(ネタバレ含む)

1章の書き出し「困った。全然不幸ではないのだ」

「そして、バトンは渡された」の1章は、高校2年の優子が、担任の向井先生と差し向かいで話す場面で始まります。高2最後の進路面談です。
こんな書き出しで始まります。

困った。全然不幸ではないのだ。少しでも厄介なことや困難を抱えていればいいのだけど、適当なものは見当たらない。いつものことながら、この状況に申し訳なく思ってしまう。

そんな優子を見て、向井先生はこう指摘します。

「どこか森宮さんには物足りなさを感じるのよね。腹を割っていないというか。一歩引いている部分があるというか」

押し殺してきた悲しみ、不安とのコントラストが鮮やか

それもそのはず。優子は小さい頃からずっと、家族を失う悲しみ、次々に親が変わる不安を押し殺して、自分を「無」にして生きてきたからです。
小説の1章には、高3の優子が、かつての家族との別れを振り返る場面が細切れに挿入されています。
それらの場面に、優子が押し殺してきた悲しみや不安が描かれます。

冒頭の、淡々とした優子の態度とのコントラストが際立つ仕掛けになっています。

「会えないのは同じなら、遠くにいると思っていた方がよかった」

7歳|母の死を知ったときの悲しみ

優子の実母は、優子が3歳になる前に交通事故で無くなっています。
実父の水戸秀平はずっと、「お母さんは遠くにいて会えないんだ」と優子に伝えていました。
水戸が優子に母の死を伝えたのは、優子が小学2年になった時。

高3の優子は、その時のことをこんな風に思い出します。

ずっとお母さんがどこにいるか知りたかった。でも、会えないのは同じなら、お母さんはどこか知らない遠くにいると思っていた方がきっとよかった。

とても、とても切ないです。

「私に選択なんてさせるべきじゃなかった」

10歳|ブラジル転勤の実父・水戸秀平との別れ

実父・水戸秀平と、2人目の母・梨花との暮らしは優子が8歳から10歳まで(小3~小4)の2年間でした。
優子は、ブラジル赴任が決まった水戸秀平についていくか、ブラジル行きを拒む梨花のもとに残るか、選ぶよう迫られます。優子は「仲良しのみなちゃん、奏ちゃんと会えなくなるのはいやだ」と言って梨花との生活を選びます。どちらを選んでも、悔いが残らないわけがありません。

優子はこんな風に振り返っています。

私に選択なんてさせるべきじゃなかったのだ。お父さんと梨花さんが自分たちで決めて、私を納得させるべきだった。小学校高学年になると言ったって、まだ十歳なのだ。正しい判断が、そのあと悔やまない判断が、できるわけがない。(中略)
友だちは、またできる。だけど、私と血がつながった、赤ん坊だった私を抱いてくれた父親を手に入れることは、二度とできない。

「同じ経験を何度しても、別れは耐えられない」

「投げやりにならないと、生きていけない」

中学卒業の春|泉ヶ原さんの家を去る

中学を卒業した春、2人目の母・梨花が、3人目の夫・森宮壮介と籍を入れたことを優子に告げます。
優子は2人目の父・泉ヶ原のもとを去り、梨花、森宮と新たな暮らしを始めることに。

その時のことを、こんな風に振り返っています。

誰が親だといいのか。そんなのわかるわけがない。ただ、私を受け入れてくれた人と、共に暮らした人と、離れたくない。同じ経験を何度したって、別れを耐えられるようにはならない。(中略)
何がいいのか、どうしたいのか、考えたらおかしくなりそうだった。私の家族ってなんなのだろう。そんなことに目を向けたら、自分の中の何かが壊れてしまいそうだった。どうでもいい。どこで暮らそうが誰と暮らそうが一緒だ。そう投げやりにならないと、生きていけない。そう思った。

ここに、優子の本音が全部表れています。
高校生になった優子は、自分の心を守るために「ひょうひょうと生きる自分」という仮面をかぶって生きていました。
その仮面をかぶった優子のセリフが、冒頭の「困った。全然不幸ではないのだ」であることが、小説を読み進めていくうちに分かってきます。

読みどころ②最後の父・森宮さんはなぜ、優子との生活を選んだ?

東大卒で一流企業勤務の「ちょっと変な人」

優子が高校入学以降の時期を一緒に過ごす森宮壮介は、ちょっと変な人です。
東大卒で大手企業に勤めるエリート。優子と出会ったとき、35歳です。「親とはこういうものだ」という思い込みがちょっとズレていて、何かというと優子に過剰な手料理を振る舞います。

高3の始業式の朝にカツ丼

優子の高3の始業式の朝、森宮さんは早起きしてカツ丼作ります。1時間の時間給まで取って。
「母親は子どものスタートにかつを揚完食げるって、よく聞くもんな」
「朝だからさっぱりしてる方がいいと思ってヒレ肉にしたんだ。柔らかくするために肉を叩きまくったんだけど、どう?」とうそぶく森宮さん。
優子は、朝からカツはきつい、という言葉を飲み込み、完食します。

オムライスにケチャップで長文メッセージ

受験を控える優子に、森宮さんは夜な夜なデカ盛りの夜食を用意します。
試験前日の夜食は、オムライスでした。
ケチャップでこんなメッセージが書かれていました。
「今日はよく寝て、本番に備えよう。合格できると信じてリラックスしながらがんばって!」
爪楊枝を使って、30分かけて書いたという「ケチャップアート」。
句読点や記号を含め、なんと40字もあります。
優子は大笑いします。こんなやり取りを通じて、優子と森宮さんは、心を通い合わせます。

森宮さんの名言「人生の意味」と「幸福論」

東大出で一流企業に勤めるエリート。結婚相手の連れ子を引き取って、男手ひとつで育て上げた森宮さんは、いったいどんな覚悟で父になり、どんなことを考えて優子との時間を過ごしたのか。
この作品の最大の謎です。2章の終盤で、森宮さんがついに、その真意を語ります。名言です。

盛大なネタバレになってしまうので内容は控えます。
ぜひ、小説を手に取り、読んでいただきたいです。
それは、「人生の意味とは?」「人の幸せとは?」という根源的な問いに対する、森宮さんのファイナルアンサーです。

森宮さんは、アドラーと同じことを言っている!

森宮さんが語る「人生の意味」「幸福論」を聞いて、ああ、アルフレッド・アドラーと同じだ…!と思いました(ネタバレしているに等しいですが、なにとぞご容赦を)。

アドラーは、フロイト、ユングと並んで「心理学の三大巨匠」と言われる人です。
アドラーがたどり着いた「幸福とは何か?」という問いへの答えは、ベストセラ―「幸せになる勇気」を読むとよく分かります。

森宮さんと優子の深い絆

優子もまた、森宮さんの愛情を、覚悟を全身で受け止め、森宮さんを心から信頼していきます。
この家族を失いそうになったら、全力で抵抗する、たとえ自分が壊れても…と心に決めます。
ずっと、不安や悲しみ、寂しさを押し殺して、自分を「無」にして生きてきた優子が、ようやく、「ひょうひょうと生きる自分」という仮面をはずし、自分の心の声と向き合う——「そして、バトンは渡された」はそんな物語でもあります。

「そして、バトンは渡された」」の楽しみ方は?

「そして、バトンは渡された」はオリジナルの小説はもちろん、映画化もされています。

小説は文芸春秋刊|2019年本屋大賞を受賞

文庫の解説は上白石萌音さん

小説「そして、バトンは渡された」は文芸春秋から刊行されています。2019年に本屋大賞を受賞しています。文庫の解説は、作品の大ファンだという上白石萌音さんが書いています!

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ナレーターは島田奈歩さん

「そして、バトンは渡された」はオーディオブック版もあります。ナレーターは島田奈歩さん。

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映画は2021年公開|キャストはこちら

「そして、バトンは渡された」は映画にもなっています。2021年公開。気になるキャストは…?

森宮優子|永野芽育さん

森宮壮介|田中圭さん

梨花|石原さとみさん

水戸秀平|大森南朋さん

泉ヶ原茂雄|市村正親さん

永野芽育さんは原作小説のファンで、優子役を演じることを熱望していたそう。
なんだか、小説のイメージ通りの俳優ばかり。
ただ、森宮さんはイケメンではないので、田中圭さんだけはやや違和感…
映画の結末は、小説とは違っているらしいですよ!

映画をサブスクで観るなら!

映画「そして、バトンは渡された」は、Hulu、U-NEXT、Amazonプライムビデオで観られます。
いずれも「見放題」の対象です。

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