「ギリシア神話を知っていますか」感想 神々にちなんだ言葉が今もあちこちに

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もくじ

阿刀田高さんの名著で読んだうんちくを紹介

何となく聞いたことがあるけど、よく知らないギリシャ神話。その主要部分だけでも理解しようと、手に取ったのがこの「ギリシャ神話を知っていますか」。阿刀田高さんが書いた入門書です。

とても分かりやすくてオススメです。

この駄文では、「ギリシア神話を知っていますか」で初めて知った「ギリシャ神話うんちく」をしたり顔で記します。本の醍醐味にはあまり触れないので、「感想」というほどのことではないのですが…

その歴史は5000年?ギリシャ神話の混然とした成り立ち

阿刀田さんによると、ギリシャ神話の主な部分は先史時代に作られたと推定されているそう。

  • 紀元前3000年ごろ、地中海のクレタ島を中心に栄えたクレタ文明がギリシャ本土に影響を及ぼす
  • やがて北方からアカイア人が侵入してきて、ミケネー文化を作る
  • 紀元前1000年ごろにドリス人が南下して、ギリシャを征服

―ーこんな歴史を経て、いろんな民族がまじりあうなかで、ギリシャ世界で生まれ、発展し、淘汰されて残ったものがギリシャ神話なのだそうです。

ギリシャ神話には、聖書のような「決定版」も「全集」もない

ギリシャ神話には、聖書のように「全集」の形でまとまったものがありません。

紀元前8世紀の詩人ヘシオドスの「神統記」、ホメロスの「イリアス物語」「オデュッセイア物語」。
紀元前5世紀のアテネ(古代ギリシャ)の悲劇作家アイスキュロス、ソフォクレス、エウリピデスの戯曲。

そういった古い文献を資料として、「たぶん、もっと昔からこんな風に語られていたんだろうな」と推定される物語群の総体が、ギリシャ神話です。

それにしても、長く見積もって5000年もの間、形を変えながら語り継がれてきたとは…目がくらむような息の長さです。それだけ、時代をこえて多くの人の心に響くドラマや教訓が満載である、ということなのでしょう。

ギリシャ神話の神々には「ギリシャ名」と「ローマ名」がある

「ギリシア神話を知っていますか」で目からウロコが落ちたのは、神様たちには名前が2つある、ということ。

これも歴史の中で他の文化とまじりあい、伝承されてきたギリシャ神話の歴史と関係があります。以下、阿刀田さんの解説。

ギリシア神話とローマ神話は、本来は別個のものであったが、ローマ文化がギリシア文化の影響を受けて発展しているうちに、この二つの神話は融合し、渾然一体となり、分かちがたいものとなってしまった。わずかに神々の名前にギリシア名とローマ名の区別があるだけ—そう説明しても過言ではあるまい。

たとえばフランス語では、ローマ名で呼ばれるのがふつうだそう。なぜか日本では、ギリシャ名もローマ名も輸入されて、訳が分からなくなっています。主な神の名前を整理するとこうなります。

最高神ゼウス(ギリシャ神話)=ジュピター(ローマ神話)

恥ずかしながら、これ、知りませんでした。ギリシャ神話の最高神は、木星の名前にもなっていたのですね(あとでまた触れます)。

ゼウスの妻ヘラ(ギリシャ神話)=ジュノウ(ローマ神話)

ヘラはゼウスの妻であり姉でもある、という存在。浮気性のゼウスに激しい嫉妬心を燃やすことで知られています。

愛と美の女神アフロディーテ(ギリシャ神話)=ヴィーナス(ローマ神話)

これも、あっ、そうなんだ!と思わされたやつです。どっちもよく聞くけど、まさか同一人物だったとは…

阿刀田さんは「ヨーロッパの言葉には、アフロディーテおよびヴィーナスから誕生した言葉がたくさん残っている」と阿刀田さんは指摘しています。たとえば…

  • アフロディジアック→催淫剤
  • アフロディジア→性的興奮
  • ヴィーナス丘→恥丘
  • ヴィーナス病→性病

ヨーロッパの文化では「愛とは本来肉体的なもの」という考え方が支配的なだけに、この手の言葉に「愛と美の女神」の名前が残っているのだろう、というのが阿刀田さんの解説です。

愛の神エロス(ギリシャ神話)=キューピッド(ローマ神話)

正しくは、ローマ読みはクピードー。英語読みだとキューピッドです。

愛の神エロスはアフロディーテの子。幼児の姿で登場することが多く、手には恋の弓矢を持っています。この矢で射抜かれた人は恋に落ちてしまう、という設定。

日本では、もっぱらローマ名由来の英語読み「キューピッド」が知られてますね。

光と信託の神アポロン(ギリシャ神話)=アポロ(ローマ神話)

アポロンは最高神ゼウスと女神レトの間に生まれた息子です。
神の言葉を人間に伝えるのがアポロンの役回り。
まあこれは、読み方がほぼ同じなので特筆することはないです。

知恵と戦略の神アテナ(ギリシャ神話)=ミネルヴァ(ローマ神話)

日本ではローマ名・ミネルヴァの方が市民権を得ていますね。名前に「ミネルヴァ」とつく学習塾、至る所にあります。出版社「ミネルヴァ書房」も有名ですね。

商業と盗みの神ヘルメス(ギリシャ神話)=マーキュリー(ローマ神話)

ローマ読みでは正しくはメルクリウス、英語読みでマーキュリーです。ヘルメスとマーキュリーも同一人物…これも知りませんでした。

商いの神と泥棒の神が同じとは、なんとも不思議。「商売の本質は、他人の財産を盗むことだ」ということでしょうか。

ヘルメスの杖は一橋大学の校章

これも阿刀田さんによるうんちく。
ヘルメスの杖には2匹の蛇が巻き付き、先端には2枚の羽根が開いています。一橋大学の校章は、このヘルメスの杖がモチーフなのだそう。確かに一橋大学は、商科大学として始まっていますものね。

海・地震・馬の神ポセイドン(ギリシャ名)=ネプチューン(ローマ名)

これも初耳でした…どちらもよく聞く名前ですね。ローマ読みは正しくはネプチュナス、英語読みでネプチューンです。

ポセイドンは、最高神ゼウスの兄弟。
ほかにハデスという兄弟もいて、ギリシャ神話ではこの3人が世界の支配権を分け合っています。

ゼウスは天空の神、ポセイドンは海の神です。そしてハデスは…

冥界の神ハデス(ギリシャ神話)=プルートウ(ローマ神話)

ハデスは冥界の神。先ほど書いた通り、ゼウス、ポセイドンの兄弟です。

冥界とは、地下の世界のこと。地獄みたいなものでしょうか。ハデスもプルートウもどちらも聞く名前ですが、優勢なのはローマ名のプルートウでしょうか。浦沢直樹さんの漫画のタイトルにもなっていますし。

農耕の神クロノス(ギリシャ神話)=サターン(ローマ神話)

ローマ名は正しくはサトゥルヌス。英語読みでサターンです。
クロノスとサターンも、日本ではよく聞きますね。どちらも、高級車の名前になってそうな感じです。

戦争の神アレス(ギリシャ神話)=マーズ(ローマ神話)

ローマ名は正しくはマルス。英語読みがマーズです。
アレスは最高神ゼウスと妻ヘラの息子です。

天空神ウラノス(ギリシャ神話)=カイルス(ローマ神話)

ウラノスは最高神ゼウスのおじいちゃんです。

はじめの一冊に!ギリシア神話を知っていますか/阿刀田高

こんなとこにもギリシャ神話①太陽系の惑星の名前

阿刀田高さんの「ギリシア神話を知っていますか」を読んでつくづく感じたのは、ギリシャ神話由来の言葉がいかに生活に根を下ろしているか、ということ。代表的なのが、太陽系の惑星の名前でしょう。8つの惑星すべてに、ギリシャの神々の名前が付けられています。
ざっとこんな感じです。

商業と盗みの神ヘルメス=マーキュリー=水星

欧米の人は、「マーキュリー」と聞くと、ああ、商いの神の星ね、と思うのでしょうか。
このへんの感覚は、非欧米人にはよくわかりません。

愛と美の女神アフロディーテ=ヴィーナス=金星

ヴィーナスはいろんな単語にその名前を残していますが、星の名前にもなっています。

戦争の神アレス=マーズ=火星

ちなみに火星には、これまたギリシャ神話由来の「オリンポス山」という山岳があります。
「オリンポス」は元々、神々が棲むというギリシャ北部の山のこと。

最高神ゼウス=ジュピター=木星

光り輝く太陽ではなく、第5惑星にすぎない木星に最高神の名を冠するとは、ちょっと不思議な感じですが…
太陽の守護神は、ゼウスの息子アポロンなのだそうです。

農耕の神クロノス=サターン=土星

日本語だと「サタン=悪魔」というイメージが強いですが、「サタン」はユダヤ教、キリスト教、イスラム教における悪魔のこと。ギリシャ神話の「クロノス/サターン」とは別物です。

天空神ウラノス=カイルス=天王星

天空の神ウラノスの星だから、「天王星」。この訳語は、比較的、欧州のネーミングを忠実に再現しているのですね。

海・地震・馬の神ポセイドン=ネプチューン=海王星

海の神の星だから、「海王星」。これも、欧州のネーミングを忠実に再現しています。

冥界の神ハデス=プルートウ=冥王星(いまは準惑星)

これも、冥界の神の星だから、「冥王星」。これも欧州語に忠実な訳語ですね。

冥王星は2006年まで太陽系の惑星と位置付けられていましたが、国際天文学連合が惑星の定義をあらためた結果、「準惑星」に格下げされました。

90分で読めちゃう!一冊でまるごとわかるギリシア神話/吉田敦彦

こんなとこにもギリシャ神話②未解決事件の「迷宮入り」

犯人の手がかりがつかめない刑事事件のことをよく「迷宮入り」と言いますが、この語源もギリシャ神話です。

基の神話は、アテネとクレタ島が戦争をしていた時代の物語

基となったギリシャ神話のエピソードは、アテネとクレタ島が戦争をしていた時代のお話。
アテネに勝利したクレタのミノス王は、アテネ側に「毎年7人の少年、7人の少女を人身御供としてよこせ」と要求します。
これは、クレタ島に住み着く牛頭人身の化け物、ミノタウロスに食わせるため。

ミノタウロスは少年少女の肉を食らうのが大好きで、人間側が少年少女を献上しないと暴れ出すのです。
戦勝国クレタのミノス王は、敗戦国アテネに化け物のエサとなる若者を差し出させることにした…というわけです。

「迷宮(ラビュリントス)」は、牛頭の化け物ミノタウロスが棲む城塞

ミノタウロスが棲んでいるのは、クレタ島のはずれにある「迷宮(ラビュリントス)」と呼ばれる城塞。
内部が複雑に入り組んでいて、足を踏み入れると迷って容易に抜け出せないことから、日本でも未解決事件の形容詞として使われるようになった…ということだそうです。

神話では、アテネから人身御供のふりをしてクレタ島に乗り込んだ王子テセウスが、クレタの王女・アリアドネの手引きによってミノタウロスを撃退します。

テセウスとアリアドネはその後、駆け落ちしますが、二人の恋は実らず…この顛末はぜひ「ギリシア神話を知っていますか」でお読みください。

迷宮は実在した!アーサー・エヴァンズが「クノッソスの王宮」を発掘

ミノタウロスが棲んでいた迷宮はながく、ただのおとぎ話だと思われていました。
そうではないことを発見したのは、イギリスの考古学者アーサー・エヴァンズ。1900年にクレタ島の発掘を始めたエヴァンズは、複雑な回廊を持つ宮殿がかつてこの地にあったことを発見します。それが、世界史にも出てくる「クノッソスの王宮」です。

クレタ人が牛を珍重していたことも相まって、牛頭の怪人ミノタウロスの神話が生まれる礎になった—と考えられているそうです。

神話の中に、なにかしら古代史がベースになっている部分があると思うと、ロマンが掻き立てられますね。

美術好きならこの一冊!名画の謎 ギリシャ神話編/中野京子

こんなとこにもギリシャ神話③エディプス・コンプレックス

エディプス・コンプレックスとは、精神分析の創始者といわれるフロイトが提唱した有名な概念ですね。
幼少期の男の子は誰でも、父を憎み母親に愛情を覚える時期がある」というやつです。

ちなみに心理学者アドラーは、幼少期に厳しい母に反発し、寛大な父に心を寄せていた自分の経験から、エディプス・コンプレックス論を聞いて「そんなん一般化できるか!」と疑問を持ち、フロイトから離れていったそうです。

ここで言う「エディプス」は、ギリシャ神話では「オイディプス」として知られています。

父を殺し、母を娶ったオイディプス王の神話が由来

オイディプスは、アテネの北・テーバイの国に生まれた王子。
オイディプスの父王・イオカステは、「男児を得るときは、その子が父を殺すだろう」という信託を恐れ、王子オイディプスを山の中に捨てます。

成長したオイディプスは、「お前は継子だ」という噂の真偽を、信託の神・アポロンに尋ねます。
アポロンはオイディプスの疑問には答えず、「お前は父を殺し、母を娶る」と告げます。

山中からテーバイに戻るオイディプス。テーバイに帰還し、王となる過程で、これらの予言が現実のものになってしまう…というのが「オイディプス」のお話。
フロイトはこの神話にあやかって、「父に反発して、母に愛情を覚える心情」にオイディプスの名前を冠したのですね。

「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足」の謎に答えたのもオイディプス

ちなみにオイディプスは、テーバイに帰還したあと、民を苦しめていた怪獣スピンクスと戦います。
スピンクスは顔が人間の女、胴体はライオン、そして鳥の翼を持つ—という異様な姿。エジプトのスフィンクスと同じ発祥だそうです。

スピンクスはなぞなぞが大好き。人間に難しい問題を出し、正解できなければ食い殺してしまう、という恐ろしい化け物でした。

スピンクスが出したとっておきの難問「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足。これなーんだ?」にあっさり正解したオイディプスは、その功績によってテーバイの国王として迎えられます。

このなぞなぞも、誰もが一度は聞いたことがありますよね。恐るべし、ギリシャ神話の影響力。

ギリシャ神話の入門書7選!

ここまでお読みくださりありがとうございました。ギリシャ神話のことをもっと知りたい人向けの入門書を7冊、ご紹介します。気になるタイトルがあったら是非、手に取ってみてください。

入門にオススメ!ギリシア神話を知っていますか/阿刀田高

まずは何度も言及したこちら。
ギリシャ神話の主なエピソードを面白く、分かりやすく、知的好奇心をくすぐりながら紹介してくれる素晴らしい本です。

死ぬまでに一度は読んでおきたい ギリシャ神話入門/長尾 剛

神々や英雄のキャラクターを図解付きで解説した分かりやすい本です。最初の一冊に。

一冊でまるごとわかるギリシア神話/吉田敦彦

こちらもイラスト入りでわかりやすい構成。中学生でも読める入門書として人気です。

神々を知ればもっと面白い! ギリシャ神話の教科書

世界観と登場人物、時系列がざっくり把握できる一冊。巻末の参考文献リストを辿って、次に読みたいギリシャ神話本を数珠つなぎのように探すのも楽しいです。

マンガでわかるギリシャ神話

ギリシャ神話の主要エピソードや神々のキャラクターが漫画で描かれていて、入門に最適です。神話の背景や道具・怪物などの図鑑的要素も。

ギリシャ神話キャラクター事典 世界一よくわかる!

ギリシャ神話の神々や英雄を一人ひとり紹介する事典形式。絵や説明が充実していて読みやすいです。

名画の謎 ギリシャ神話編/中野京子

神話そのものに加えて、それを題材にした名画を通してストーリーを読む形式です。美術好きな人におすすめ。

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