この記事でわかること
・所得税、消費税、資産税はそれぞれ、景気に及ぼす影響が異なる
・もっとも経済活動を停滞させる「筋の悪い税」が所得税
・でも日本の税収は、所得税が50%超。なんでこんなことになってる??
税を「かせぐ、つかう、ためる」のうち、どこから集めるか?

▼この記事はこちらの続きです!

税の「3つの分類」について
所得税って、筋のいい税金じゃないらしい…ということを書こうと思うのですが、その前に、まず税の分類ついて触れます。参考書は前回に続きこちらです。
この記事の参考書
・安部忠さん「税金ウソのような本当の話」
課税対象で分類すると、所得税、消費税、資産税の3つ
いろんな分け方があるけれど、「かせぐ、つかう、ためる」のどの局面に課税するかによって、税は3種類に分けられます。
・所得課税(収入税) 納税者の「稼ぐ力」に応じて徴収する
・消費課税(支出税) 納税者の「買う力」に応じて徴収する
・資産課税(保有税) 納税者の「蓄える力」に応じて徴収する
(安部忠さん「税金ウソのような本当の話」を参考に作成)
所得税、消費税、資産税―経済活動に及ぼす影響の違いは?
安部忠さんは、お金の流れを「水」に、徴税機能を「バルブ」に例えています。
図で示すとこうなります。

国はこの3つのバルブを締めることで、経済社会のお金の流れの中から税金を吸い上げます。
それぞれ、経済活動に及ぼす影響が異なるのです。 ![]()
国は資産課税と消費課税で「景気をコントロール」できる

安部忠さんの解説によると、国は消費のバルブと資産のバルブを締めたり緩めたりすることで、景気をあおったり冷やしたりすることができます。
消費のバルブを締める(消費課税)→消費低迷で景気が悪くなる
消費のバルブを締めるとどうなるか。国が消費税をより多く取ろうとすると、人々は本当に必要なものしか消費しなくなり、貯蓄は増えるが消費活動は低調になって景気は悪くなる。
安部忠さん「税金ウソのような本当の話」(講談社、1995年)
資産のバルブを締める(資産課税)→貯蓄が減り消費増→景気が良くなる
資産のバルブを締めるとどうなるか。国が資産税をより多く取ろうとすると、人々は本当に必要な貯蓄や資産しか購入しなくなり、貯蓄は減るが消費活動は活発になって景気は良くなる。
安部忠さん「税金ウソのような本当の話」(講談社、1995年)
「景気の調整」というと、中央銀行が「お金の流通量を増減させる」あるいは「金利を上げ下げする」といった手法しかないものと思っていたけど、
政府による「消費税と資産税の上げ下げ」という手もあるのですね。
とはいえ、税率を変えるには税法の改正が必要だから、政府は改正法案を国会で通さなければならなりません。法案審議には時間がかかるし、国会の会期中に成立する保証もありません。
だからこの手段はあまり機動的ではなさそう…です。
所得税=経済活動の停滞を招く「筋の悪い税」説

消費税のバルブ、資産税のバルブときて、3つめの所得税のバルブ。
安部さんはこう書いています。
所得のバルブを締める(所得課税)=消費が減り、貯蓄も減る…いいことなし
カネの流れの元栓である所得のバルブを閉めるとどうなるか。国が所得税をより多く取ろうとすると、消費と資産の両方に流れるカネが減り、消費したい人は消費できなくなり、貯蓄したり資産を購入したい人は、貯蓄や資産購入をあきらめることになる。
安部忠さん「税金ウソのような本当の話」(講談社、1995年)
安部さんはこの本の中で、一貫して、所得税に比重を置いた税制に反対の立場を取っています。
”所得税は経済活動全体を停滞させ、国の活力を衰退させる”
その理由をこう書いています。
国が所得税により多くを依存するということは、働く者や事業家の労働意欲を喪失させ、世の中の経済活動全体を停滞させる。所得税は国の活力自体を衰退させてしまうので、その影響たるや、消費や資産のバルブを交互に閉めて景気を調節するどころの比ではない。
安部忠さん「税金ウソのような本当の話」(講談社、1995年)
お金は「経済の血液」とよく言われます。
「かせぐ、つかう、ためる」のどこに課税するかを考えるとき、お金の流れに及ぼす負の影響が最も大きいのが所得税、というわけですね。
日本の税収の構成比を調べてみました

財務省ウェブサイト「税収に関する資料」のデータを基に作成。国税と地方税の合計
日本の税収は52%が所得税から!
で、日本の税収はどんな構成比になっているのでしょうか。
財務省のウェブサイトに統計が載っています。
日本の税収に占める個人所得税の割合は約30%。法人所得税の22%を加えると、日本は税収の半分を超える52%を所得から徴収していることになるのです。
なぜ、景気を減速させる「筋の悪い税」が主役に??

経済を確実に減速させる「筋の悪い税」である所得税がなぜ、税の主役になったのでしょうか?
すみません、今回はその歴史を振り返る手前で力尽きてしまいました。
次の記事で、所得税の歴史をガッチリ書いていきたいと思います! ![]()
あらためて、今回の参考書
・安部忠さん「税金ウソのような本当の話」
経済を学ぶなら「聴く日経」がおススメ
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