この記事でわかること
・サラリーマンにとって楽ちんな源泉徴収。でもその代わり、納税者の自覚を失いがち
・納税者の自覚がないから、税の使い途に興味がない
・税の使い道に興味がないから、投票にもいかない…
・悪循環を断ち切れ!アメリカ人の合言葉”As a tax payer”に学ぶ
自分の納税額を知らないサラリーマンは「危うい」?

▼この記事は、こちらの続きです!

実は「税金は本来、自己申告で納めるもの」
サラリーマンのみなさんは、自分が支払っている所得税額がパッと出てこない人が多いと思います。
なぜならサラリーマンは、税金を自己査定し、自ら申告して納めるという「納税者の基本動作」を免除されているから。そんな制度に飼いならされてしまったサラリーマンが、実はどれだけ危うい状態なのかについて、公認会計士の安部忠さん、経済コラムニストの大江英樹さんが書いたこちらの本を参考に、感じたことを書いていきたいと思います。
この記事の参考書
・安部忠さん「税金ウソのような本当の話」
・大江英樹さん「知らないと損する 経済とおかねの超基本1年生」
サラリーマンがラクをできる「源泉徴収制度」のデメリットとは?
本来、税金は自己申告で支払うものなのに、会社員の僕らは「源泉徴収制度」というしくみによって、それを免除されています。会社が所得税の支払いを肩代わりしてくれるからです。
圧倒的にラクです。でも、面倒な納税額の計算と自己申告手続きから解放されている代わりに、僕らは大きなものを失っています。
それは、
自分が税金を払っているという意識(納税者の自覚)
です。
”サラリーマンの納税実感を希薄にし、納税者の義務「監査権限の行使」を緩慢にする”

安部忠さんは、「税金ウソのような本当の話」の中で、控えめにこう述べています。
国の側からすると、源泉徴収は税収総額の2割から3割を確保するドル箱であるとともに、徴収手数料の支払いを要しないという利点がある。反面、サラリーマンらの納税実感を希薄にし、納税者の義務でもある「監査権限の行使」を緩慢にすると指摘する声がある。
安部忠「税金ウソのような本当の話」(講談社、1995年)
”サラリーマンから税や社会保障に対する思考を奪っている”

大江英樹さんも「知らないと損する 経済とおかねの超基本1年生」の中でこの問題を指摘しています。
特にサラリーマンにおいて、”税への無関心”は顕著にみられます。この理由はなぜなのでしょうか。
私は最大の理由は「源泉徴収制度」にあると思います。サラリーマンは会社が各自の税金額を計算して源泉徴収し、税金を納めます。(中略)
給与天引を活用した源泉徴収システムというのは明らかにサラリーマンから税や社会保障に対する思考を奪っているように思えます。
どれだけ引かれていても黙っていて、文句を言ってもしょうがないと思っている人が多い。源泉徴収というのは徴収する側から見れば最高のビジネスモデルと言えるでしょう。
大江英樹「知らないと損する 経済とお金の超基本1年生」(東洋経済新報社、2015年)
「日本人は、納税者の自覚がないから投票に行かない」説

税は「みんなからお金を集めて、みんなのために使う」仕組み
憲法第30条で、納税は国民の義務とされています。
そして税とは「みんなからお金を集めて、みんなのために使う」仕組みです。
僕らは税金を納めなければなりませんが、その税金の使い途までは指定できません。
税の使途を決めるのは選挙で選ばれた代議士(政治家)
税の使い途は選挙で選ばれた代議士(政治家)が決めます。
それを官僚が実行します。細かな運用ルールは、官僚が決めることもあります。
「みんなのために使う」のが大前提ですが、財源には限りがあります。だから優先順位をつけて分配するのが政治家の仕事です。
優先するのは高齢者福祉か、子育て支援か、はたまた自衛隊の強化か、再生可能エネルギーへの投資か…。
納税者は、税の使途を厳しくウォッチしないといけない
安部忠さんが「監査権限の行使」という言葉を使っているが、僕らはもっと、自分たちが支払った税金がまっとうに使われているのか厳しくウォッチしなければならないはずです。
政治家が次の選挙に通るための人気取りの政策に税金を投入しようとしていたら、声を挙げて反対しなければならないのですね。
だから、決定権を持つ代議士を選ぶ「選挙」はとっても大事
選挙で選ばれた代議士は僕らの代わりに、税金の使途を決める議会で議決権を行使します。だから、代議士を選ぶ選挙は大事なのです。
納税者の自覚がない→税の使い途に関心がない→税の使い途を決める人を選ぶことにも興味がない→投票に行かない…というのが、「政治意識の低い日本人」の実態ではないでしょうか。
日本人の政治意識の低さの根っこにあるのが「源泉徴収制度」

自分の納税額は把握しておきましょう!
日本人が「税の使い途の決定=政治」に関心が低いのは、その根っこに「税金を支払っている実感」を失わせる源泉徴収制度がある、と安部忠さんや大江英樹さんは言っています。
手取り額だけを確認して、給与明細を捨ててしまってはいけないのです。まず、自分の納税額を頭に叩き込まなければならないですね。 ![]()
ちなみに「納税者の自覚」「政治意識」という側面から見ると、日本人とアメリカ人はずいぶん違うようです。
アメリカ人が好んで使うフレーズ「As a tax payer」

”納税者の権利として意見を言う、税の使途の開示を求める”
大江英樹さんはこんなことも言っています。
アメリカ人がよく言うのは“As a tax payer”という言葉です。「納税者として」あるいは「税金を支払う者として」という意味です。つまり国民の義務としてこれだけの税金を払っているのだから、当然権利として意見も言うし、その税金の使い途についてもきちんと開示することを要求するということです。
大江英樹「知らないと損する 経済とおかねの超基本1年生」(東洋経済新報社、2015年)
説教臭い記事でお恥ずかしい…。
所得税の話、まだ続きがありますので、よろしければお読みください! ![]()
あらためて、今回の参考書
・安部忠さん「税金ウソのような本当の話」
・大江英樹さん「知らないと損する 経済とおかねの超基本1年生」
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