この記事でわかること
・ふるさと納税の寄付金控除で戻ってくる税金の計算式はコレ!
・確定申告する→所得税と住民税が戻る
・確定申告せず「ワンストップ特例制度」を使う→住民税が戻る
・ふるさと納税大好きっ子の陰で、地元自治体は泣いている・・・
・ともあれ、お得な制度は使えばよい。僕らは「私利を追求」する生き物なのさ!
問題|ふるさと納税で戻ってくる税金の種類は?

前に別の記事で、こんなことを書きました。
・ふるさと納税とは自治体への「寄付」だった!
・寄付をすると、社会貢献に対する特典として税金が安くなる(「寄付金控除」といいます)
・寄付金控除によって、ふるさと納税の寄付金は税金から補填される
・ふるさと納税は、納税者が「税金の使い途を指定できる」スペシャル技だった!
答え|ふるさと納税で戻ってくるのは、所得税と住民税です
この記事では、寄付金控除の仕組みと流れを具体的に書きたいと思います。
ふるさと納税に適用される寄付金控除の対象は、
・所得税(国税。つまり、国が集める税金)
・住民税(地方税。市町村が集める税金)
の2つです。
寄付金控除で戻ってくる所得税・住民税を計算しよう!

確定申告をする場合の計算式(そんなに難しくないです)
自分で確定申告する場合、控除額(税金から差し引かれる額)は、このような式で割り出します。
①②③の合計額が戻ってくるお金です。
◆所得税
①(ふるさと納税の寄付金―自己負担分2000円)×所得税率
◆住民税
②(ふるさと納税の寄付金―自己負担分2000円)×0.1
③(ふるさと納税の寄付金―自己負担分2000円)×(0.9―所得税率)
※①と③には復興特別所得税2.1%をさらに掛けます。ここでは説明を単純にするため省略します!※③の住民税控除額には上限があります。年間に支払っている住民税の2割までです。
独身・年収500万円の人が、5万年を寄付した場合
ここで、とらねこさんを例にシミュレーションしてみます。

こんばんニャ
とらねこさんは独身、年収500万円。適用される所得税率は10%です。
毛玉村に住むとらねこさんが、マタタビ村に5万円を「ふるさと納税」で寄付したとします。
確定申告ナシの「ワンストップ特例制度」を使うこともできますが、
ここではあえて、とらねこさんが確定申告をするパターンで説明してみます。
計算式に「寄付額5万円」を当てはめてみる


さて、どうやって計算するのかニャ?
◆所得税
①(ふるさと納税の寄付金50000円―自己負担分2000円)×所得税率0.1=4800円
◆住民税
②(ふるさと納税の寄付金50000円―自己負担分2000円)×0.1=4800円
③(ふるさと納税の寄付金50000円―自己負担分2000円)×(0.9―所得税率0.1)=38400円
戻ってくる48000円の内訳は、所得税4800円+住民税43200円
戻ってくる税金の額は、
・所得税の還付額=4800円(①)
・住民税の軽減額=4800円(②)+38400円(③)=43200円
・所得税の還付額4800円+住民税の軽減額43200円=合計48000円
「直近1年の住民税の2割まで」の上限に注意!
注意が必要なのは、住民税のうち③の部分です。ここで控除される額は
「とらねこさんが支払った年間の住民税額の2割まで」という上限があります。
つまりとらねこさんが直近1年に支払った住民税の総額が
38400円÷0.2=192000円
19万2000円以上であれば、ここで計算した③の38400円は全額控除されます。
住民税の2割を上回った分は、自己負担となるのです。
所得税率は、課税所得(課税対象額)によって異なります。課税所得は、収入額、家族構成、保険の加入状況などいろんな条件で変わります。だから一概に言えないのです…。
自分の上限額が分からない!という人はコチラ
前野彩さんの「家計のプロ直伝!ふるさと納税活用術」には、収入別、家族構成別におおよその「寄付額上限」がわかる詳細な一覧表が載っています。
その数なんと356通り。これからふるさと納税をめいっぱい使いたい人は、ぜひご参照ください!
確定申告せず「ワンストップ特例制度」を使う場合

先ほどご紹介したシミュレーションは、自分で確定申告をする場合の計算法でした。
会社員の場合、確定申告をせずに済む特例があります。
「ワンストップ特例制度」というものです。
毛玉村に住むとらねこさんがマタタビ村に寄付するとき、このような申請をすればよいのです。

マタタビ村の担当者さん。僕、確定申告しないので、僕の代わりに寄付金控除の申請を毛玉村にしておいてくださいニャ。よろしくね
ワンストップ特例を使う条件「寄付先5か所まで」「年収2000万円以下」
この特例を使うにはいくつか条件があります。
・寄付先の自治体は5か所まで
・年収2000万円以下
・副業の所得が20万円を超えていない…などなど。
(総務省ウェブサイト、前野彩さん「家計のプロ直伝!ふるさと納税活用術」などを参考に作成)
この制度を使った人は、所得税の分も含めて住民税が安くなります。
余談ですが…
自分が支払っている税金を把握するためにも、確定申告はむしろした方がよいと思います。
多少面倒でも。
▼こちら、関連記事です! ![]()

ふるさと納税の功罪とは??

住民がふるさと納税を使えば使うほど、その自治体は貧乏に…
忘れてはいけないのは、とらねこさんがふるさと納税の寄付金控除を活用すればするほど、とらねこさんの地元・毛玉村が住民サービスに使える予算が減っていくということです。
とらねこさんが毎日、ごみを回収してもらえるのも、図書館を利用できるのも、村民プールに200円で入場できるのも、すべて毛玉村の住民サービスが行き届いているからです。
地元住民のために限られた予算をきちんと使いたいと考える毛玉村にとっては、住民がバンバンふるさと納税を使うのは切ないことでもあります。
毛玉村職員が奉仕すべき相手である住民が、虎の子の地元予算をどんどん外に投げちゃうのですから。
返礼品競争過熱は、地方自治体が「負け組」にならないための対策

住民のふるさと納税を止める術はないけれど、対策はあります。
毛玉村も、外からふるさと納税による寄付を集めればいいのです。
知られざる地元の名産品を返礼品としてアピールできれば、ふるさと納税がらみで出ていくお金と入ってくるお金の収支をプラスにできる可能性もあります。
だから返礼品競争が過熱するんですね。
公共サービスへの「寄付金集め」に競争原理はなじまない?
でもこの競争が激しくなっていくと、
「地方自治体って、いったいどこを向いて仕事をしてんの?」
ということになりかねません。
地元住民のために仕事をするのが地方自治体の本分です。コミュニケーションをとるべき相手も、よそに住む返礼品目当ての輩ではなく、地元住民であるはずなのです。
本来、競争がなじまない公共サービス分野に「一発当てたもん勝ち」という競争原理を持ち込んだのが「ふるさと納税」だともいえます。
ともあれ、お得なふるさと納税はどんどん使えばいい!

なぜなら人は「私利を追求する生き物」だから…!
ふるさと納税は、地元自治体のお金を使って、よその自治体を潤す仕組みです。
制度本来の趣旨からすれば、寄付先は「魅力的な返礼品」で選ぶのではなく、「応援したい自治体」でえらぶのがよい、ということのなるのでしょう。
でも人間は、己の利益、己の満足、己の幸せを追求してやまない生き物だから、ふるさと納税が返礼品競争と化すのはある意味当然ともいえます。
ふるさと納税はどんどん使えばいいと思います。
少なくとも、知らないまま過ごすより、仕組みを理解して賢く使った方がお得なのは明白なのですから。
私も霜降り肉やブランド米に釣られます…

はい、かくいう私も、自治体の名前よりも「霜降り牛肉」「みずみずしい桃」「市場に出回らない幻の酒」「コンテスト優勝歴のあるブランド米」などに確実に釣られます。
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