この記事でわかること
・僕らはふつう、税金の使い道を指定できない
・でも実は、「寄付」をすると、結果的に税金の使い途を指定できる
・税金の使い途を指定する技「寄付金控除」とは?
・実はふるさと納税も寄付!寄付金控除で「税の使い途を指定できるスゴ技」なのです
税金の使い途って、僕らが選ぶことはできる??

【原則】納税者はふつう、税金の使い途を指定できません
別の記事で、前にこんなことを書きました。
・ぼくら納税者は、税の使い途を決めることはできない
・税の使い途は、選挙で選ばれた代議士(政治家)が決める
・限られた税収を「みんなのためにどう使うか」を差配するのが政治の役割
・だから僕らはちゃんと、税の使い途をウォッチした方がいい
・政治に関心がない人、投票に行かない人は、おそらく「納税者である」という自覚が薄い
・給料から税を天引きする源泉徴収制度が、納税者の自覚を失わせているのでは?
下線部のとおり、
「納税者は税の使い途を決めることはできない」と書いたのだけど、
実は、例外がありました。
【例外】それは「寄付」&「寄付金控除」!
そのワザとは「寄付」です。
公共団体、公益団体などに寄付をすると、税金が安くなります。
「寄付金控除」という仕組みを使います。控除とは「差し引く」ということ。
寄付金控除の手続きを取ると、寄付した額の一部が戻ってきます。
なんでこんな特典があるのか?
ファイナンシャルプランナーの前野彩さんが「家計のプロ直伝!ふるさと納税活用術」でこのように解説しています。
あなたは社会に役立つことをしたので、税金を安くしてあげましょう
前野彩さん「家計のプロ直伝!ふるさと納税活用術」(マキノ出版、2015年)
ということなのです。
寄付金控除を使うと、結果的に「いち納税者が税金の使い途を指定する」のと同じことができます。
なぜ寄付&寄付金控除が「税金の使い途の指定」なの??

なぜ、寄付と税金の控除の仕組みが「税金の使い途を指定する」ことになるのでしょうか?
大江英樹さんが「知らないと損する 経済とおかねの超基本1年生」(東洋経済新報社、2015年)の中でわかりやすく説明しています。
寄付金控除を使うと「税金が寄付先に届く」のです

大江さんが例に挙げたのは、東日本大震災の被災地に10万円を寄付して、そのうち5万円が戻ってきた、というケース。
寄付したあなたの手元に戻ってくる5万円の原資は、国の税金です。
あなたは実質的には5万円しか負担していませんが、被災地には10万円が届いています。差額の5万円は国の負担ということになりますね。言い換えればあなたが寄付をしたことによって国は5万円を被災地に使うことになるわけですから、税金の使い途を指定したのと同じということになるわけです。
大江英樹さん「知らないと損する 経済とお金の超基本1年生」(東洋経済新報社、2015年)
ふるさと納税の正体とは?

ふるさと納税も実は「寄付」だった!
2008年(平成20年)に始まり、いまやすっかり市民権を得た「ふるさと納税」も、寄付によって税金が安くなる仕組みです。
「納税」というネーミングだけど、「寄付」と呼ぶ方が実態を正確に表しているのです。
ふるさと納税の流れはこうです…!
好きな自治体を選んで好きな額を寄付する
自己負担の2000円を超えた分が「寄付金控除」で戻ってくる
しかも、寄付先の自治体から返礼品が届く
戻ってくるのは、所得税と住民税

寄付金控除で戻ってくるのは、所得税と住民税です。
住民税のウエートが大きいです。
ちなみに、
所得税は国税。つまり、国が集める税金
住民税は地方税。市町村が集める税金
という違いがあります。
解説!「ふるさと納税」で税の使途を指定する流れとは?

まず、好きな自治体に5万円を寄付
ふるさと納税の流れを例を挙げて説明してみます。
毛玉村に住むとらねこさんが、マタタビ村に5万円を寄付するとましょう。
ちなみに、多くの自治体で、寄付金をどんな事業に使うかを指定できます。
防災、復興、文化財保存、環境…など「何に使うか」も指定できる!

たとえば「防災」「災害復興」「文化財の保存」「庁舎の建設」「スポーツ振興」「環境」「緑化事業」「子ども・若者の応援」「子育て支援」「動物愛護」などなど。

この5万円を、子育て支援に使ってほしいニャ
確定申告なしで寄付金控除を受けるなら「ワンストップ特例制度」を使う
とらねこさんは確定申告なしで寄付金控除を受けられる
「ワンストップ特例制度」
を使いました。この場合、所得税の分も含めて住民税が控除されれます。
とらねこさんが寄付した5万円のうち、自己負担の2000円を差し引いた4万8000円が寄付金控除で戻ってきます。
戻ってくる住民税は、自分が住む自治体が負担している
この4万8000円がどこから出てくるかというと、毛玉村。
自治体のお金だからもちろん、原資は税金です。
つまりとらねこさんは、「毛玉村が持っている税収4万8000円を、マタタビ村の子育て支援事業に使ってください」とうオーダーを、毛玉村とマタタビ村に対して発したことになります。
寄付金控除分が戻ってくるのは次の年の6月以降

ちなみに、とらねこさんのところに4万8000円が戻ってくるのは次の年の6月以降。毎月支払う住民税が安くなります。一括で戻ってくるわけじゃありません。
(住民税は、前の年に支払った所得税によって決まるので、タイムラグが出るのです)
自己負担2000円は、税の使い途を指定するための手数料
このオーダーを出すための手数料が2000円かかるのが「ふるさと納税」の仕組みである、ともいえます。
返礼品が届くので、自己負担はないも同然

むしろ自己負担2000円を超えるお釣りが来ます!
ただし、マタタビ村から2000円分の価値を大きく上回る返礼品が届くから、実質の自己負担はありません。それどころか、お釣りがきます。

返礼品は尾頭付きの鯛ニャ!
続きます。次は、寄付金控除の計算の仕方を説明します。
あらためて、今回の参考書
・前野彩さん「家計のプロ直伝!ふるさと納税活用術」
・大江英樹さん「知らないと損する 経済とおかねの超基本1年生」
経済を学ぶなら「聴く日経」がおススメ
・経済オンチのまま大人になってしまった…
・金融のこと、投資のこと、ちゃんと勉強したい!
・節税対策ってどうすればいいの?
そんな人におすすめなのが、「聴く日経」です。日本経済新聞の記事から厳選した1日20分の音声番組。
ラジオNIKKEIのアナウンサーがわかりやすくニュースを解説してくれます。
通勤電車の中で「流し聞き」するだけで、経済が学べます。
audiobook.jpのサブスクから申し込むと、14日間無料!
経済って敷居が高い…そんな風にしり込みしているあなたにオススメのコンテンツです。 ![]()
こちらの記事もオススメです!









お読みいただき、ありがとうございます。コメントをお寄せください!