「母脳」は、脳科学の知見を投入した黒川さんの子育て体験記

人工知能学者で脳科学の専門家、黒川伊保子さんの「母脳」を読みました。
この本は、脳科学で得た知見を自分の息子に投入したらどうなるか?
を試してきた黒川さんの子育て体験記。
子どもの脳の発達に応じて、何を与えればよいか、どんなコミュニケーションを取ったらいいか、といった解説もふんだんに盛り込まれています。
脳科学における「愛」の定義が素晴らしかったのでご紹介

この本を読んでよかった!と思ったのは、脳科学における「愛」の定義を知ることができたから。
とても印象に残ったので、備忘録代わりに書き残します。
男女が惚れ合って、互いを独占しようとする行為は愛にあらず

「男女の愛」とされているものは「生殖本能とホルモンが作り出す情動」
黒川さんによると、男女が惚れ合って、互いを求める行為は愛ではありません。それはただ「脳の生殖本能とホルモンが作り出す情動」なのだそうです。ようするに、発情です。
この発情が終わった後になおも残るものが「愛」なのではないか、と黒川さんは推測していたのですが、それが脳の機能のどこに当たるのか、なかなか言い当てられなかったのだそう。
では、愛とはなにか?

他者の痛みを自分の痛みとして感じ、自分の中にある癒しを与えること
黒川さんは、脳科学における愛とは、「痛み」だと指摘しています。まず、相手の痛みを、自分の痛みとして感じること。そして、痛みを感じている相手に、自分の癒しを与えることだ、と述べています。
癒しとは、言葉であり、行動です。
それってどういうこと??と思った方に読んでいただきたいのが、次にご紹介する黒川さんと猫の心温まる話。
黒川さんに愛を教えたのは、飼い猫のスコティッシュフォールド

黒川さんは、研究室で愛を解明したのではありません。飼い猫のスコティッシュフォールドに「愛を教えられた」のです。
喉の腫れで寝ていた黒川さんに、猫が喉を重ねて「ゴロゴロ」
黒川さんが扁桃腺を腫らして寝ていた時のこと。
黒川家の猫は、黒川さんの患部が喉であることを察して、自分の喉をおもむろに黒川さんの喉に重ねました。そして猫はその姿勢のまま「ゴロゴロゴロ…」と喉を鳴らしました。
黒川さんが喉の炎症に苦しんでいると察知した猫
狩猟動物の猫は、人間が見えない赤外線領域の光を感知します。この能力によって、猫は炎症を起こして発熱した箇所がわかったのだろう、と黒川さんは推測しています。
猫のゴロゴロの波動には、免疫を高める効果がある
そして、猫が安心した時に出す喉の音「ゴロゴロ」の波動には、免疫力を高める効果があるのだそうです。つまり猫は、黒川さんがのどの痛みに苦しんでいることを感知して、自ら喉を寄せて「ゴロゴロ」と鳴らし、飼い主の痛みを癒やそうとしたのです。
溢れる愛を持っていた猫

黒川さんは「(雌猫である)彼女には、溢れる愛があった」と述懐しています。
なぜ、飼い主の痛みを自分の痛みとして感じることができたのでしょうか。
それは、猫が「痛みを知っているから」でした。
それは、痛みとともに生きてきたから
黒川家の猫は、生まれつき足の骨が少し曲がっていました。
獣医師によるとその奇形は、痛みを伴うものだったといいます。
つまり猫は、生まれてからずっと、痛みとともに生きてきたのです。痛みを知るからこそ、飼い主の痛みを自分の痛みとして感じることができ、自分が与えられる癒しを率先して与えようとした——「母脳」に描かれているのは、そんなエピソードでした。
人間にも、愛を持っていない者はいる。猫にも、愛を持っている者がいる。
生命の尊さについて考えさせられる話を書き留めたくて、走り書きしました。
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